修学支援新制度は大学2年も継続?対象年収と減免額【2026年版】
2年生以降も毎年の確認が必要です(2026年10月3日時点)
修学支援新制度(高等教育の修学支援新制度)は、入学時に一度申請すれば自動的に継続されるわけではありません。大学2年生以降も毎年度、家計と学業の確認があります。手続きが遅れると、その期間の支援が止まることがあります。気づいたら、大学の奨学金窓口に相談してください。2026年10月3日時点では、2026年10月分からの支援区分が、2027年9月分まで適用される枠組みです。
世帯の収入状況が変わった場合や、学業成績が基準を下回った場合も、支援が減額・停止・廃止されることがあります。授業料等減免は授業料と入学金の上限までです。施設設備費・教材費・通学費は対象外で、授業料の一部補填です。この記事では、低所得世帯向けの支援内容と、大学2年生以降の継続確認のポイントを解説します。
修学支援新制度の対象世帯(低所得世帯)
修学支援新制度は世帯収入に応じて支援の区分が分かれています。目安の世帯年収は家族構成・扶養人数によって変わります。公式の判定は、年収の数字そのものではなく、支給額算定基準額です。正確な判定には日本学生支援機構(JASSO)のシミュレーターを使ってください。
| 区分 | 目安となる世帯年収(4人世帯) | 授業料等減免 | 給付型奨学金 |
|---|---|---|---|
| 第I区分(住民税非課税) | 〜約270万円 | 上限まで | 満額 |
| 第II区分 | 〜約300万円程度 | 2/3 | 2/3 |
| 第III区分 | 〜約380万円程度 | 1/3 | 1/3 |
| 多子世帯(扶養子3人以上) | 所得の線引きなし(2025年度〜)。申請は必要 | 上限まで | 区分に応じた月額(区分超は0円) |
多子世帯の授業料・入学金減免は、2025年度から所得の線引きなく拡大され、2026年10月3日時点も続いています。「所得制限なし」は減免についての話であり、申請しなくても全員が受けられるという意味ではありません。給付型奨学金は今も区分に応じた月額です。資産の合計が3億円以上の場合は対象外になり得ます。5,000万円以上3億円未満の多子世帯は、減免は残り得ますが給付は0円です。
授業料等減免の支援額
国公立大学の場合(第I区分・満額支援)
| 費目 | 減免上限額(年間) |
|---|---|
| 授業料 | 535,800円 |
| 入学金 | 282,000円(入学年のみ) |
国立大学の標準授業料(535,800円/年)は減免上限の範囲に収まりやすいです。第I区分であれば授業料の自己負担は残りにくい一方、施設設備費・教材費・通学費は対象外です。
私立大学の場合(第I区分・満額支援)
| 費目 | 減免上限額(年間) |
|---|---|
| 授業料 | 約700,000円 |
| 入学金 | 約260,000円(入学年のみ) |
私立大学の平均授業料(令和7年度調査で968,069円)に対し、減免上限は約70万円です。差額の約27万円は引き続き自己負担となります。平均入学金240,365円は上限内に収まりやすいですが、大学によっては超過します。入学金の減免は入学年のみです。大学2年生の継続審査では、原則として入学金減免は再発生しません。
出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」
給付型奨学金の支給額(日本学生支援機構)
授業料減免とセットで給付型奨学金が支給されます。給付型奨学金は返済不要です。2026年10月3日時点のJASSO公表額は次のとおりです。
| 区分 | 自宅通学(月額) | 自宅外通学(月額) |
|---|---|---|
| 第I区分(国公立) | 29,200円 | 66,700円 |
| 第I区分(私立) | 38,300円 | 75,800円 |
| 第II区分(国公立) | 19,500円 | 44,500円 |
| 第II区分(私立) | 25,600円 | 50,600円 |
| 第III区分(国公立) | 9,800円 | 22,300円 |
| 第III区分(私立) | 12,800円 | 25,300円 |
| 第IV区分(国公立・多子) | 7,300円 | 16,700円 |
| 第IV区分(私立・多子) | 9,600円 | 19,000円 |
区分を超える多子世帯は、授業料等減免は上限まででも給付は0円です。生活保護世帯など一部は、上表と異なる月額になることがあります。実際の支給額は申請時の条件により異なります。
支援対象外の費目
修学支援新制度の授業料等減免は、授業料と入学金(入学年)が対象です。以下の費目は制度の対象外で、引き続き全額自己負担です。
| 費目 | 支援の可否 |
|---|---|
| 授業料 | 上限まで減免 |
| 入学金 | 上限まで減免(入学年のみ) |
| 施設設備費 | 対象外 |
| 教材費 | 対象外 |
| 仕送り・生活費 | 対象外(給付型奨学金で一部補填) |
| 交通費 | 対象外 |
私立大学の施設設備費(令和7年度平均172,550円/年)は対象外のため、支援を受けても施設費は保護者または学生が負担します。高校の就学支援金の対象は授業料のみです。令和8年4月の月額上限は、私立高校全日制が38,100円、公立高校全日制が9,900円です。入学金は対象外です。大学の入学金を就学支援金で賄えるわけではありません。
大学2年生以降の継続確認
継続の2つの要件
修学支援新制度の継続には、毎年度、家計と学業の両方を確認します。
① 家計要件:世帯の収入が引き続き対象区分の範囲内であること
② 学業要件(GPA基準等):大学が定める次のような基準を満たすこと
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 修得単位数 | 標準修得単位数の基準以上(通常は正規単位の1/2以上) |
| GPA等 | 学校が定める基準以上(下位1/4に2回該当すると廃止の対象になり得る) |
| 出席率 | 大幅な欠席がないこと |
学業成績が基準を下回った場合、大学の認定により「警告」から停止・廃止へ進むことがあります。学業成績を理由とする廃止のあとは、再び給付を受けられないことがあります。手続きの遅れとは扱いが別です。判断は大学とJASSOの案内で確認してください。
2026年10月の支援区分(2026年10月3日時点)
大学2年生も、入学時の採用だけでは翌年以降の月額は決まりません。JASSOの案内では、2026年度の適格認定(家計)で決まった支援区分は、2026年10月分から2027年9月分の給付奨学金に適用されます。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月〜9月 | 2024年1月〜12月の所得と2025年度住民税で見ていた |
| 2026年4月の在籍報告 | 生計維持者と資産などの申告。10月以降の家計区分の材料になる |
| 2026年9月4日以降 | 見直しが終わった人から、スカラネット・パーソナルで10月以降の区分を確認できる |
| 2026年10月〜2027年9月 | 見直した支援区分が給付の月額に適用される |
| 学業の確認 | 時期は大学ごと。単位数・GPA・出席が基準を下回ると、警告や停止・廃止があり得る |
2026年4月以降の就職や収入の変化は、この10月の区分にそのまま入らないことがあります。判定に使うのは、2025年1月〜12月の所得と2026年度住民税です。4月の在籍報告が未提出・遅延の場合、区分が未決定のままになることがあります。
令和8年度住民税を用いる判定から、学生世代(19歳〜22歳。18歳の早生まれを含みます)は、給与収入が123万円超160万円以下でも多子の「子ども」に数えられる場合があります。本人以外のきょうだいは別途申告が必要です。大学からの通知と、スカラネット・パーソナルの両方を確認してください。
出典:JASSO「2026年10月の支援区分見直し」、JASSO「2026年10月の支援区分見直し結果を確認しましょう」(2026年9月4日)
世帯収入が増えた場合の対応
就職やボーナス等で世帯収入が増加した場合、次の継続確認で区分が下がる(または対象外になる)可能性があります。2026年10月の区分は2025年の所得で見ているため、2026年に入ってからの増収が、この10月から直ちに反映されるとは限りません。
| 変化 | 影響 |
|---|---|
| 世帯収入が第I区分→第II区分に | 低所得区分では支援額が2/3に減額され得る |
| 世帯収入が第III区分を超過 | 低所得区分の支援は対象外になり得る。多子なら減免は残り得る |
| 多子世帯の扶養人数が2人に減少 | 多子世帯としての減免要件を失う場合がある |
収入の変化があった場合は、大学の窓口に相談し、いつの税情報で見るかを確認してください。
よくある誤解 Q&A
Q. 修学支援新制度を受ければ、大学の費用はほぼかからなくなりますか? A. 第I区分(住民税非課税世帯)で国立大学に進学した場合、授業料は減免上限の範囲に収まりやすいです。ただし、施設設備費・教材費・生活費・仕送りは引き続き自己負担です。私立大学では授業料の一部(上限超過分)も自己負担になります。授業料の一部補填であり、費用がゼロになるわけではありません。
Q. 一度廃止になった支援は再申請できますか? A. 学業成績を理由に廃止された場合、それ以降は給付を受けられないことがあります。手続きの提出遅れは別で、気づいた時点で大学の奨学金窓口に相談すると、一部期間の停止で済む場合や、翌年度に改めて申請できる場合があります。さかのぼって満額が出るとは限りません。
Q. 親が失業した場合、年度途中でも支援を受けられますか? A. 「家計急変」による申請制度があります。年度途中でも収入の急減(失業・倒産等)があった場合は、大学窓口に相談することで緊急支援を受けられる場合があります。通常の10月の区分見直しとは別の手続きです。
Q. 支援を受けながら貸与型奨学金(ローン型)も借りられますか? A. 第二種奨学金は、給付を受けていても貸与月額の調整はない、とJASSOは案内しています。第一種奨学金は、給付の区分によって貸与月額が調整される場合があります。2026年10月に給付の区分が変わると、第一種の月額も変わることがあります。
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出典・参考資料
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
- JASSO「給付奨学金の支給額」
- JASSO「多子世帯支援について」
- JASSO「2026年10月の支援区分見直し」
- JASSO「2026年10月の支援区分見直し結果を確認しましょう」(2026年9月4日)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」
- 私立大学の初年度学生納付金等の推移(PDF)