国の教育ローンはいくら借りられる?金利と年収上限【2026年版】
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国の教育ローンは子ども1人350万円まで
国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)は、子ども1人につき350万円までです。自宅外通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、海外留学の資金として使う場合は、1人につき450万円までです。2026年10月15日に確認した公庫のページでは、固定金利は令和8年7月1日現在で年4.05%(保証料別)でした。
制度の条件や使える金額は、家庭ごとに違います。「わが家の場合はいくら必要で、どこまで準備できているか」を一度整理したい方は、お金のプロ(FP)の無料相談で、教育費と家計をまとめて聞いてみるのも一つの方法です。
借りられるかどうかは、金額の前に世帯年収の上限で分かれます。扶養する子どもが1人で給与収入なら、上限は790万円です。上限の内側でも、審査の結果、希望に添えないことがあります。この記事では、上限の早見、450万円になる使いみち、年4.05%で200万円を返した場合のこの記事の計算を分けて書きます。
世帯年収の上限は、扶養する子どもの人数で分かれる
申し込めるのは、融資の対象になる学校に入学・在学する人の保護者で、主に生計を維持している人です。世帯年収(所得)が、扶養する子どもの人数ごとの上限以内であることが条件です。人数は、申し込む世帯で扶養している子どもの人数で、年齢や就学の有無は問いません。
給与所得のある世帯は年収の列、事業所得者は括弧内の所得の列を見ます。世帯年収(所得)には、世帯主のほか、配偶者などの収入(所得)も含まれます。
| 扶養する子どもの人数 | 給与所得者の世帯年収 | 事業所得者の所得 |
|---|---|---|
| 1人 | 790万円 | 600万円 |
| 2人 | 890万円 | 690万円 |
| 3人 | 990万円 | 790万円 |
| 4人 | 1,090万円 | 890万円 |
| 5人 | 1,190万円 | 990万円 |
6人以上の上限は、この表にはありません。教育ローンコールセンターへ問い合わせる、と書かれています。申し込む人自身は「子ども」に数えません。子どもがいない場合、FAQは人数を0人とし、上限を給与所得者790万円、事業所得者600万円(特例あり)としています。
子どもが2人以内の世帯は、次のどれか一つに当たると、上限が990万円(事業所得者は所得790万円)まで緩和されます。給与なら3人の990万円、事業所得なら3人の790万円と同じ金額です。3人以上の行には、この緩和は書かれていません。
- 勤続(営業)年数が3年未満
- 居住年数が1年未満
- 世帯の誰かが自宅外通学(予定)
- 借入申込人またはその配偶者が単身赴任
- 今回の融資が海外留学資金
- 借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超
- 親族などに要介護(要支援)認定を受けている人がいて、その介護費用を負担している
- 大規模な災害で被災した(この要件だけの緩和は、インターネット申込ではなくコールセンター)
緩和で申し込めるようになる場合は、追加の書類が必要です。今年の世帯年収(所得)が上限以内になる見込みなら、昨年が超えていても利用できる場合があります。
ここからの3つは、表の数字に当てはめたこの記事の比較です。申し込めることを保証する例ではありません。
扶養する子が1人、世帯の給与収入の合計が850万円なら、通常の790万円は超えます。その子が自宅外通学の予定なら要件3に当たり、緩和後の990万円以内です。扶養する子が2人、給与の合計が950万円なら、通常の890万円は超えます。上の要件のどれか一つに当たるときだけ、990万円以内に入ります。当たらなければ、890万円を超えたままです。扶養する子が3人、給与の合計が1,000万円なら、3人の上限990万円を超えます。2人以内向けの緩和は、ページの見出しが「お子さまが2人以内の場合」なので、この1,000万円には使いません。
450万円になる使いみちと、対象にならない費用
限度額は子どもごとの枠です。450万円の要件に当たらない子は1人350万円まで、当たる子はその子だけ450万円までです。
| その子の資金 | 1人あたりの上限 |
|---|---|
| 自宅外通学 | 450万円 |
| 修業年限5年以上の大学(昼間部) | 450万円 |
| 大学院 | 450万円 |
| 海外留学(修業年限3か月以上の外国の教育施設) | 450万円 |
| 上のどれでもない | 350万円 |
対象は、今後1年間に必要になる費用です。2年目以降は、あらためて申し込みます。同じ子について残高が残っていても、上限から残高を引いた残りまでは申し込めます。FAQの例では、今年250万円を使い、返済した翌年の残高が230万円なら、350万円から230万円を引いた120万円までです。450万円の枠で同じ残高なら、450万円から230万円を引いた220万円が残りです。220万円は、この記事の引き算です。
使いみちは、学校納付金(入学金、授業料、施設設備費)、受験の費用(受験料、受験時の交通費・宿泊費)、在学のための住居費(敷金・家賃)、教科書代、教材費、通学費用、塾・予備校代、パソコン購入費用、学生の国民年金保険料、修学旅行費用、融資にかかる保証料です。滑り止めとして受験した学校の入学金や受験費用も対象で、進学する学校の入学資金に加えて申し込みます。受験費用は、合格前でも利用できます。
対象にならないものもあります。義務教育期間中の費用は対象外です。学生が公務員として通う学校(防衛(医科)大学校、航空保安大学校、海上保安(大)学校、気象大学校、税務大学校など)と、学費がかからない企業内の教育訓練施設は、対象にならない場合があります。留学先への財政能力証明書を作るための預金は、対象になりません。高等教育の修学支援新制度で減免される入学金・授業料は、原則として融資の対象になりません。減免されない費用には使えます。
学校は、修業年限が3か月以上で、中学校卒業以上の人を対象とする高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部、大学、大学院、短期大学、専修学校、各種学校、予備校、職業能力開発校などの教育施設、外国の高等学校・大学・大学院・短期大学・語学学校などです。借入は最低10万円、1万円単位です。
年4.05%で200万円を返すと、月いくらになるか
金利のページは、教育一般貸付を「令和8年7月1日現在」「年4.05%」としています。固定金利なので、借りた日の金利は完済まで変わりません。FAQは、見直しを年2回、5月1日前後と11月1日前後に行い、市場金利が大きく動いたときはそれ以外でも改定する、としています。2026年10月15日の時点では、11月の改定前です。実際に適用されるのは、シミュレーションの金利ではなく、借りる日の金利です。保証料は年4.05%とは別です。
交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内、または扶養する子どもが3人以上かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内の世帯は、年4.05%から0.4%低い金利です。0.4%を引くと年3.65%で、これはこの記事の引き算です。ページの書き方は「基準金利から0.4%低減」です。条件が重なったときに、0.4%よりさらに下がるかは、確認したページには書かれていません。保証料が通常の3分の2になるのは、交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭です。シミュレーションの欄では、子ども3人以上かつ年収500万円以内の側には、金利の0.4%引き下げだけが書かれています。
返済期間は20年以内です。元利均等返済で、ボーナス月の増額は借入額の50%以内、年2回までです。在学中は利息だけにできます。据置できるのは融資日から卒業までの期間以内で、その月数は返済期間に含まれます。返済は、借入日の翌月または翌々月の希望日から始まります。繰上返済はでき、繰上返済自体の手数料はかからない、とFAQにあります。振込手数料は申し込む人の負担です。
次の表は、公表されている年4.05%(優遇の列だけ年3.65%)を、元利均等の式に当てはめたこの記事の試算です。月利は年利÷12、毎月額は「借入額 × 月利 × (1+月利)の回数乗 ÷ ((1+月利)の回数乗 − 1)」、円未満は四捨五入、支払総額は四捨五入した毎月額 × 回数です。保証料と送金手数料は入れていません。公庫のシミュレーションは、最終回の端数と、借りる日の金利で結果が変わります。
| 借入額 | 期間の置き方 | 年利 | 毎月の返済額 | 支払総額 | うち利息 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 10年・据置なし(120回) | 4.05% | 20,297円 | 2,435,640円 | 435,640円 |
| 200万円 | 15年・据置なし(180回) | 4.05% | 14,844円 | 2,671,920円 | 671,920円 |
| 200万円 | 10年のうち4年据置、その後6年 | 4.05% | 6,750円が48回、その後31,336円が72回 | 2,580,192円 | 580,192円 |
| 200万円 | 10年・据置なし(120回) | 3.65% | 19,918円 | 2,390,160円 | 390,160円 |
| 350万円 | 15年・据置なし(180回) | 4.05% | 25,977円 | 4,675,860円 | 1,175,860円 |
| 450万円 | 15年・据置なし(180回) | 4.05% | 33,399円 | 6,011,820円 | 1,511,820円 |
据置中の6,750円は、200万円 × 4.05% ÷ 12です。48回で324,000円、元金は200万円のままです。その後の72回は31,336円で、合計2,256,192円です。支払総額は2,580,192円、利息は580,192円になります。同じ10年で据置がない場合の利息435,640円より、144,552円多い計算です。在学中の月額は下がりますが、同じ期間のなかで返す元金が後ろにずれるためです。
年3.65%で200万円を10年、据置なしにすると、毎月は19,918円です。年4.05%の20,297円との差は379円、利息の差は45,480円です。どちらもこの記事の引き算です。
保証は、教育資金融資保証基金か、連帯保証人のどちらかです。基金を使うと保証料が融資金から一括で引かれ、口座に入るのは保証料と送金手数料を引いた後の金額です。保証料の円額は金額と期間で変わるため、この記事では計算していません。連帯保証人は、進学者・在学者の4親等以内の親族(その人の配偶者を除く)で、申し込む人とは別居・別生計が原則です。基金を使う場合、連帯保証人は不要です。
申し込みから入金までの順番
申込は年中受け付けています。目安は、資金が必要になる2〜3か月前です。入学資金は合格発表の前でも申し込め、原則として入学する月の翌月末までの融資です。在学中の費用は、必要になったときに申し込みます。
窓口は、日本政策金融公庫の国民生活事業の支店です。FAQは、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協、漁協でも取り扱う、としています。来店が難しければ郵送もでき、ホームページからも申し込めます。令和8年9月28日からは、インターネット申込に日本公庫ダイレクトへのログインが必要です。会員登録が済んでいなければ、新規の会員登録をします。沖縄に住んでいる人は、沖縄振興開発金融公庫に相談する、と公庫のページにあります。
審査は、勤務(営業)の状況、収入(所得)、借入の状況、住宅ローンや公共料金の返済・支払い状況から総合的に判断されます。点数の合格ラインは、確認したページには書かれていません。通常は、申込完了から結果まで10日前後、入金までさらに10日前後です。入学シーズンの10月〜3月は、それより長くなる可能性があります。2026年10月15日は、この期間に入っています。
融資金は学校へは直接振り込まれません。申し込む人名義の口座へ送金されます。融資が決まっていても、資金が不要になればキャンセルできます。返済期間や据置の有無を変えたいときも、申し込んだ店舗に相談します。
申し込める親族は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です。FAQの例では、子どもから見た祖父母と兄弟姉妹は2親等の血族、おじ・おばは3親等の血族です。大学生本人が学業に専念し、返済の見通しが立たない場合は、主に生計を維持する親や親族に申込人になってもらうよう案内されています。社会人の学び直しで、安定した収入があり独立して生計を立てている人は、本人で申し込めます。入学で収入が大きく減る場合は、親や親族に申し込んでもらいます。これから国外に住む留学では、学生本人ではなく、同じ範囲の親族が申込人になります。
日本学生支援機構の奨学金とは併用できます。違いは、奨学金が学生本人の貸与で、卒業後に本人が返すのに対し、国の教育ローンは主に保護者が借りて、保護者が返すことです。入学前のまとまった費用にも使えます。入学時特別増額貸与奨学金は、国の教育ローンを申し込んでも融資を受けられなかった世帯の学生が対象で、手続きは公庫ではなく在学する学校です。収入制限を超えている人や、融資できる人に「融資できない旨の通知」を出すことはできない、とFAQにあります。
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よくある誤解 Q&A
Q. 350万円を一度借りれば、大学4年分をまとめて用意できますか?
A. 対象は今後1年間の費用です。2年目以降は、その年に必要になる費用として、もう一度申し込みます。同じ子の残高が残っていれば、350万円または450万円から残高を引いた額までです。FAQの例は、250万円を使った翌年の残高230万円に対し、350万円の枠なら120万円まで、というものでした。
Q. 年収が790万円を超えていても、下宿するなら借りられますか?
A. 子どもが2人以内で、自宅外通学などの緩和要件のどれかに当たるときは、上限が990万円(事業所得者は所得790万円)まで上がります。850万円の給与世帯で子が1人、下宿予定なら、この上限の内側です。審査で希望に添えないことはあります。子どもが3人以上の世帯は、最初から別の上限で、2人以内向けの緩和一覧は使いません。
Q. 金利が0.4%下がる世帯は、保証料も3分の2ですか?
A. 同じ条件ではありません。年4.05%から0.4%下げる対象には、交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭に加え、世帯年収200万円(所得132万円)以内、子ども3人以上かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内が含まれます。保証料が通常の3分の2になるのは、交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭です。
Q. 修学支援で減る授業料も、ローンの対象ですか?
A. 原則として、減免される入学金・授業料は融資の対象になりません。入学金・授業料以外の費用には使えます。減免の有無で、家計が払う額は変わるため、ローンの申込額とは別に見てください。
Q. 奨学金と同時に借りられますか。返すのは子どもですか?
A. 日本学生支援機構の奨学金と併用できます。国の教育ローンを返すのは、借りた保護者です。奨学金は学生が貸与を受け、卒業後に学生が返します。給付型奨学金の所得の見方は、国の教育ローンの世帯年収の表とは別です。
借りる額を、大学までの教育費に置く
350万円や450万円は、今後1年の費用に対する上限です。家計が月々返せる額とは別の数字です。据置を入れると在学中の支払は利息だけになり、同じ10年でも利息の総額は増えます。教育費の全体は、Gaku-Simのシミュレーターで試算できます。
出典・参考資料
金額、金利、上限、緩和要件、使いみち、学校、返済期間、申込の順番は、2026年10月15日に次のページで確認しました。年3.65%は、年4.05%から0.4%を引いたこの記事の計算です。850万円、950万円、1,000万円は、公表されている上限との比較に使った例です。220万円は450万円から230万円を引いたこの記事の計算で、120万円はFAQの例です。返済表の20,297円、14,844円、6,750円、31,336円、19,918円、25,977円、33,399円と、支払総額、利息、144,552円、379円、45,480円は、上に書いた式で出したこの記事の試算です。保証料の円額は計算していません。
- 日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」(350万円、450万円、年4.05%、令和8年7月時点、奨学金との併用、令和8年9月28日からの日本公庫ダイレクト)
- 日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」(世帯年収の上限、緩和要件、対象学校、使いみち、融資限度額、令和8年7月1日現在の金利、保証、返済期間)
- 日本政策金融公庫「教育資金に関するご融資(国の教育ローン)の金利」(令和8年7月1日現在、年4.05%、0.4%の引き下げ)
- 日本政策金融公庫「よくあるご質問 国の教育ローンのご利用をお考えの方」(今後1年間、残高の例、申込人、審査と入金の日数、金利の改定時期、減免される入学金・授業料、奨学金との違い)