給付型奨学金は年収いくらまで対象になる?区分の目安【2026年版】
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給付型奨学金は年収いくらまで対象になるか
給付型奨学金は、世帯の額面年収がいくらまでなら対象、という一本の線では決まりません。日本学生支援機構(JASSO)は、学生本人と生計維持者の支給額算定基準額を合計して区分を付けます。2026年10月13日時点の在学採用の家計基準では、合計が100円未満なら第1区分、100円以上25,600円未満なら第2区分、25,600円以上51,300円未満なら第3区分、51,300円以上154,500円未満なら第4区分です。
制度の条件や使える金額は、家庭ごとに違います。「わが家の場合はいくら必要で、どこまで準備できているか」を一度整理したい方は、お金のプロ(FP)の無料相談で、教育費と家計をまとめて聞いてみるのも一つの方法です。
第4区分は、多子世帯でないと月額の給付は出ません。私立の理工農系で多子世帯でない場合は、給付奨学生になっても支給月額は0円です。154,500円以上でも多子世帯なら、支援区分の名前は「多子世帯」になりますが、給付の月額は0円です。年収を万円で示した表は目安で、同じ年収でも区分は前後します。
この記事では、在学採用(二次)以降の収入・所得の目安、基準額の計算例、大学の給付月額を、公表されている式と表だけで整理します。特定の年収帯に入るかどうかは、別の記事で扱っています。
区分を分けるのは支給額算定基準額です
収入基準の本体は、次の式です。
支給額算定基準額 = 課税標準額 × 6% −(調整控除額 + 調整額)(100円未満切り捨て)
本人と生計維持者(父母がいる場合は原則2名)の額を足します。市町村民税の所得割が非課税の人は、例外を除き、この式を使わず0円です。政令指定都市に市民税を納めている場合は、(調整控除額+調整額)に4分の3を掛けた額を引きます。
ふるさと納税、住宅ローン控除、定額減税などの税額控除は、この基準額の判定に影響しません。これらの控除で所得割が非課税になっていても、基準額が0円にならない場合があります。課税標準額や調整控除額は、課税証明書に必ず印字されている項目ではありません。JASSOは、マイナポータルで市町村民税の課税標準額などを調べられる、と案内しています。
| 支援区分 | 本人と生計維持者の支給額算定基準額の合計 |
|---|---|
| 第1区分 | 100円未満(市町村民税所得割が非課税) |
| 第2区分 | 100円以上25,600円未満 |
| 第3区分 | 25,600円以上51,300円未満 |
| 第4区分 | 51,300円以上154,500円未満 |
| 多子世帯 | 154,500円以上(多子世帯に限る) |
第4区分の行に入ることと、給付が振り込まれることは別です。51,300円以上154,500円未満でも、多子世帯でも私立の理工農系でもない場合、JASSOは支援を受けられない、としています。154,500円以上の行は、多子世帯であることが確認できる場合の区分です。
すでに給付を受けている人の2026年10月の区分見直しも、同じ基準額で判定します。使うのは2025年1月〜12月の所得と、それに基づく2026年度の住民税です。決まった区分は、2026年10月分から2027年9月分の給付月額に適用されます。収入基準か資産基準のどちらかを満たさないと、この1年間は給付が振り込まれません。
在学採用(二次)以降の収入・所得の目安
万円単位の表は、基準額そのものではありません。JASSOは、令和7年度税制改正に伴い、令和8年度在学採用(二次)から収入・所得の上限額の目安を変更した、とページに書いています。在学採用(一次)の目安は給付奨学金案内の別表です。予約採用(進学前)の目安も別の表です。下の数字を、一次採用や高校在学中の予約採用にそのまま使わないでください。
表は、学生本人が前年の12月31日現在19歳から22歳で、本人に市町村民税が課税されていないものとした場合の目安です。JASSOは、世帯構成、障害者の有無、保険料の支払いなどで、目安を上回っても対象になる場合と、下回っても対象にならない場合がある、と注記しています。
給与所得者の世帯(年間の収入金額)
(○)は、その人が給与所得者であることを指します。単位は万円です。
| 世帯 | 想定する構成 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| (ア)2人 | 本人、母(給与) | 229 | 332 | 402 | 649 |
| (イ)3人 | 本人、母(給与)、高校生 | 289 | 391 | 457 | 677 |
| (ウ)4人 | 本人、親A(給与)、親B(無収入)、高校生 | 295 | 395 | 461 | 698 |
| (エ)4人・親A | 本人、親A(給与)、親B(給与)、高校生 | 295 | 341 | 412 | 659 |
| (エ)4人・親B | 同上 | 127 | 165 | 165 | 165 |
| (オ)5人・親A | 本人、親A(給与)、親B(パート)、高校生、中学生 | 321 | 395 | 461 | 698 |
| (オ)5人・親B | 同上 | 110 | 110 | 110 | 110 |
(エ)と(オ)は、親Aと親Bで目安が分かれています。二人の年収を足して、一つの欄と比べる表ではありません。たとえば(エ)の第3区分は「世帯年収577万円まで」という意味ではなく、親A 412万円・親B 165万円という並びの目安です。
給与所得者以外の世帯(年間の所得金額)
自営業など、給与以外の世帯は年間の所得金額です。給与の表の収入金額とは単位が違います。
| 世帯 | 想定する構成 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| (ア)2人 | 本人、母(給与以外) | 144 | 212 | 272 | 452 |
| (イ)3人 | 本人、母(給与以外)、高校生 | 182 | 257 | 311 | 494 |
| (ウ)4人 | 本人、親A(給与以外)、親B(無収入)、高校生 | 196 | 277 | 348 | 526 |
| (エ)4人・親A | 本人、親A(給与以外)、親B(給与)、高校生 | 179 | 208 | 263 | 455 |
| (エ)4人・親B | 同上 | 127 | 165 | 165 | 165 |
| (オ)5人・親A | 本人、親A(給与以外)、親B(パート)、高校生、中学生 | 217 | 277 | 353 | 530 |
| (オ)5人・親B | 同上 | 110 | 110 | 110 | 110 |
(ウ)の片働きで比べると、給与なら第3区分の目安は収入461万円、給与以外なら所得348万円です。売上を給与の表に当てはめると、区分を読み違えます。
基準額51,200円と51,600円の計算例
2026年度在学者用の給付奨学金案内には、政令指定都市の課税証明書を使った式の例があります。課税標準額929,000円、市町村民税調整控除額6,000円、市町村民税調整額0円です。
929,000円 × 6% = 55,740円 (6,000円 + 0円)× 3/4 = 4,500円 55,740円 − 4,500円 = 51,240円
100円未満を切り捨てると、51,200円です。案内の例と同じ額です。本人と、もう一方の生計維持者が所得割非課税で、例外に当たらず基準額0円なら、合計も51,200円です。25,600円以上51,300円未満なので、第3区分の収入基準です。
同じ929,000円と6,000円でも、政令指定都市でなければ4分の3を掛けません。55,740円 − 6,000円 = 49,740円で、切り捨て後は49,700円です。この記事が式に当てはめた比較で、案内が掲載しているモデル世帯ではありません。49,700円も第3区分の範囲です。この例に限ると、切り捨て後の差は51,200円 − 49,700円 = 1,500円です。差が常に1,500円になるわけではありません。
次に、第3区分の上限をまたぐ例を置きます。これもこの記事の計算例です。政令指定都市ではなく、課税標準額960,000円、調整控除額6,000円、調整額0円とします。
960,000円 × 6% = 57,600円 57,600円 − 6,000円 = 51,600円
他の生計維持者と本人が0円なら、合計51,600円です。51,300円以上154,500円未満なので、収入基準は第4区分です。第4区分は、多子世帯でなければ月額の給付は出ません。目安の年収が数十万円違わなくても、基準額が100円単位で区分をまたぐことがあります。
私立大学・自宅通学で、支給が12か月続いた場合の換算も、この記事の計算です。月額はJASSOの公表額、12倍は公表された年額ではありません。
| 区分 | 月額(私立・自宅) | 12か月の換算 |
|---|---|---|
| 第1区分 | 38,300円 | 459,600円 |
| 第2区分 | 25,600円 | 307,200円 |
| 第3区分 | 12,800円 | 153,600円 |
| 第4区分(多子世帯) | 9,600円 | 115,200円 |
国公立・自宅・第1区分の月額29,200円を12倍すると350,400円です。私立・自宅・第1区分との差は、459,600円 − 350,400円 = 109,200円です。採用が年度の途中から、または停止が入ると、この換算にはなりません。
区分が決まると大学の給付月額はいくらか
通常課程の大学・短期大学・専修学校(専門課程)では、採用から正規の卒業時期まで、区分と通学形態で月額が決まります。2026年10月13日時点の公表額は次のとおりです。カッコ内は、生活保護を受けている生計維持者と同居する人、または社会的養護を必要とし児童養護施設等から通学する人の額です。
| 区分 | 国公立・自宅 | 国公立・自宅外 | 私立・自宅 | 私立・自宅外 |
|---|---|---|---|---|
| 第1区分 | 29,200円(33,300円) | 66,700円 | 38,300円(42,500円) | 75,800円 |
| 第2区分 | 19,500円(22,200円) | 44,500円 | 25,600円(28,400円) | 50,600円 |
| 第3区分 | 9,800円(11,100円) | 22,300円 | 12,800円(14,200円) | 25,300円 |
| 第4区分(多子世帯に限る) | 7,300円(8,400円) | 16,700円 | 9,600円(10,700円) | 19,000円 |
自宅通学は、本人が生計維持者と同居している状態です。単身赴任などで生計維持者が一時的に別居していても自宅通学です。自宅外通学は、生計維持者の元を離れて家賃を払って生活している状態です。
第4区分の月額は、多子世帯に限ると表に書かれています。私立・自宅は9,600円、国公立・自宅は7,300円です。多子世帯でなく私立の理工農系に在籍する場合は、給付の支給額は0円です。授業料等減免は、文系との差額に着目した額を学校に申請します。多子世帯でも私立理工農系でもない第4区分は、給付も授業料等減免も対象外です。
基準額が154,500円以上の多子世帯は、支援区分「多子世帯」となり、給付の月額は0円です。2026年10月の適格認定では、支援区分が「第4区分(理工農)」または「多子世帯」の場合、資産基準を満たしていても、2026年10月から2027年9月まで給付は振り込まれません。
通信教育課程は月額ではありません。国立・公立・私立、自宅・自宅外の区別なく、年1回の年額です。第1区分51,000円、第2区分34,000円、第3区分17,000円、第4区分(多子世帯に限る)12,800円です。上の月額を12倍した額とは別です。
多子世帯に該当するかは、申込時に入力した生計維持者の子どもの数と、生計維持者全員の住民税情報における扶養親族数の合計のうち、小さい方が3以上で、かつ本人が扶養されている場合です。誰を子どもに数えるかの例外は、多子世帯の大学授業料支援、所得は誰の年収で判定する【2026】で整理しています。
資産が5,000万円以上だと給付はどうなるか
在学採用の資産基準は、申込日時点の本人と生計維持者(2人)の資産合計が5,000万円未満であることです。2026年10月の適格認定は、2026年4月の在籍報告(2026年度採用者は進学届またはスカラネット申込)で申告された資産で、同じ5,000万円未満かを見ます。多子世帯の授業料等減免については、資産の上限が3億円未満と案内されています。
資産に含めるものは、現金とそれに準ずるもの(投資信託、投資用の金・銀、退職金)、預貯金、有価証券です。少額投資非課税制度(NISA)による投資額も含み、有価証券と投資信託は時価です。満期や解約で現金化した保険も含みます。満期・解約前の掛金は含みません。貯蓄型の生命保険や学資保険の掛金も含みません。土地・建物などの不動産は対象外で、住宅ローンなどの負債と相殺できません。
5,000万円以上3億円未満でも、多子世帯の授業料等減免が残り得る、という案内と、給付の資産基準は5,000万円未満、という案内は別です。給付の月額表に、資産超過の世帯向けの行はありません。
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よくある誤解 Q&A
Q. 目安の年収を下回っていれば、給付型奨学金の対象になりますか?
A. 目安を下回っただけでは対象になりません。判定は支給額算定基準額の合計です。JASSOは、目安を上回っても対象になる場合と、下回っても対象にならない場合がある、と書いています。在学採用(二次)以降の表を、予約採用や在学採用(一次)に流用することもできません。
Q. 共働きの年収を足して、表の一つの数字と比べればよいですか?
A. 比べられません。(エ)は親Aと親Bで目安が分かれています。給与・4人・高校生の第3区分は、親A 412万円、親B 165万円という並びです。二人を足した577万円が、世帯年収の上限として公表されているわけではありません。給与以外は所得金額の表を使います。
Q. 第4区分の収入基準なら、給付は振り込まれますか?
A. 多子世帯なら、大学の公表月額があります。私立・自宅は9,600円、国公立・自宅は7,300円です。多子世帯でなく私立の理工農系の場合、支給月額は0円です。どちらにも当てはまらなければ、給付は停止です。基準額が154,500円以上の多子世帯も、給付の月額は0円です。
Q. ふるさと納税で住民税が下がれば、区分は有利になりますか?
A. ふるさと納税や住宅ローン控除などの税額控除は、支給額算定基準額に影響しません。控除の結果、所得割が非課税と表示されていても、基準額が0円にならない場合があります。非課税かどうかだけを見て第1区分とは判断できません。
Q. 資産が5,000万円以上だと、授業料の減免も残りますか?
A. 給付の資産基準は、本人と生計維持者の合計5,000万円未満です。多子世帯の授業料等減免は、資産3億円未満と案内されています。土地・建物は資産に含まず、NISAの投資額は時価で含みます。学資保険は、満期や解約で現金化していない掛金を資産に含めません。減免の上限額は給付の月額とは別の手続です。
あなたの家庭の実質負担額を計算する
区分の月額が分かっても、授業料の上限を超える分、施設費、教材費、通学費、仕送りは別です。高校の就学支援金とは所得の見方も違います。改正後の就学支援金の範囲は就学支援金2026改正点:所得制限は撤廃、上限月38,100円を参照してください。
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給付の月額を差し引いたあとに残る教育費を、進学の期間を通して5分でシミュレーションできます。
出典・参考資料
金額・区分・期限は、2026年10月13日に次の公開資料で確認しました。49,700円、1,500円、51,600円、109,200円、115,200円、153,600円、307,200円、350,400円、459,600円は、公表された式または月額にこの記事が掛け算・引き算した計算例です。51,200円は案内の計算例と同じ額です。
- 日本学生支援機構「進学後(在学採用)の給付奨学金の家計基準」(収入基準、令和8年度在学採用(二次)以降の収入・所得の目安、資産基準)
- 日本学生支援機構「給付奨学金の支給額」(大学等の月額、通信教育課程の年額、自宅・自宅外の定義)
- 日本学生支援機構「2026年10月の支援区分見直し(2026年度適格認定(家計))」(2025年所得・2026年度住民税、2026年10月分〜2027年9月分、第4区分と多子世帯の給付、資産5,000万円未満と授業料減免の3億円未満)
- 日本学生支援機構「高等教育の修学支援新制度の中間所得層への拡大(第4区分)」(第4区分の多子世帯・私立理工農系・いずれでもない場合の違い)
- 日本学生支援機構「2026年度在学者用給付奨学金案内」(PDF)(政令指定都市の計算例。51,200円)