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共働き年収800万は大学無償化の対象?所得制限の計算【2026年版】

更新日:2026-09-02 / 大学1〜4年生 / 修学支援新制度

共働き年収800万円は、原則として大学無償化の対象外です

先に結論をお伝えします。共働き世帯で年収800万円(夫婦合算)の場合、子ども2人以下であれば大学の修学支援新制度(いわゆる大学無償化)は、2026年4月時点でも原則として対象外です。

ただし以下の場合は例外があります。

  • 子ども3人以上を扶養している家庭:2025年度から拡大された多子世帯の授業料等減免により、所得制限なく授業料・入学金を国の上限まで減免できます。給付型奨学金は家計基準を超えると0円になります。
  • 世帯の実際の課税標準額が基準以下の場合:年収800万円でも、医療費控除など各種控除の影響で課税標準額が低くなる場合があります。

この記事では、修学支援新制度の所得制限の仕組みを、2026年4月時点の制度に沿って解説します。

注意:「大学無償化」と呼ばれますが、授業料の一部補填です。減免には上限があります。施設設備費・教材費・通学費・生活費は対象外です。費用がゼロになるわけではありません。


修学支援新制度とは?

修学支援新制度(高等教育の修学支援新制度)は、大学・短大・専門学校の授業料・入学金を上限まで減免し、家計基準を満たす場合は給付型奨学金も支給する制度です。2020年度にスタートし、2024年度に第IV区分(多子世帯)が加わり、2025年度から多子世帯の授業料等減免が所得制限なしに拡大されました。2026年4月時点も、この枠組みが続いています。

支援の内容(2026年4月時点)

支援内容 国公立大学 私立大学
授業料の減免(上限) 約54万円/年(国立標準額は535,800円) 70万円/年
入学金の減免(上限・初年度) 28万円(国立標準額は282,000円) 26万円
給付型奨学金(自宅通学・第I区分) 月29,200円(年350,400円) 月38,300円(年459,600円)

出典:文部科学省「令和7年度からの多子世帯に対する大学等の授業料等減免について」、JASSO「給付奨学金の支給額」

支援額は「区分」によって異なります。授業料・入学金の減免は上限内です。施設設備費・教材費・通学費は対象外です。給付型奨学金は、家計基準を超える多子世帯では0円です。


所得制限の「区分」の仕組み

修学支援新制度の区分は、次のように整理できます。

区分 対象世帯の目安 授業料・入学金の減免 給付型奨学金
第I区分 住民税非課税世帯(年収目安270万円以下) 上限まで 満額
第II区分 第I区分の2倍以下の収入目安 2/3(多子世帯は上限まで) 2/3
第III区分 第I区分の3倍以下の収入目安 1/3(多子世帯は上限まで) 1/3
第IV区分(多子世帯) 扶養子3人以上かつ一定の家計基準内 上限まで 1/4
多子世帯(上記区分を超える) 扶養子3人以上(所得制限なし) 上限まで 0円

第I〜III区分は、住民税の課税標準額と調整控除額を使った計算式で判定されます。年収の「目安」はあくまで標準的な家族構成のケースです。

2026年4月時点で所得制限がないのは、多子世帯(扶養する子どもが3人以上)の授業料・入学金減免です。子ども2人以下の世帯は、従来どおり年収の上限(目安として約380万円前後)が支援の条件です。多子世帯以外まで対象が広がったわけではありません。


共働き年収800万円のケースで考える

【モデルケース】

  • 夫:会社員、年収500万円
  • 妻:会社員、年収300万円
  • 子ども:2人(子どもが大学生の場合)

計算ステップ

夫の住民税課税標準額(目安)

給与所得500万円→給与所得控除後約356万円、基礎控除43万円、扶養控除なし(子どもが大学生の場合16歳以上) 課税標準額(夫)≈ 356 − 43 = 313万円

妻の住民税課税標準額(目安)

給与所得300万円→給与所得控除後約202万円、基礎控除43万円 課税標準額(妻)≈ 202 − 43 = 159万円

合算課税標準額:313万円 + 159万円 ≈ 472万円

修学支援新制度の第III区分の基準は合算で概ね年収380万円前後が上限とされており(子ども2人・共働き標準ケース)、472万円は超えています。

→ 子ども2人の共働き年収800万円は、2026年4月時点でも通常は第I〜III区分すべての対象外となります。

課税標準額は家族構成・控除によって変わるため、目安です。最終的な判定はJASSOが進学資金シミュレーターやマイナンバーに基づく審査で行います。


対象になる可能性のある例外ケース

ケース1:子ども3人以上を扶養している場合(多子世帯)

2025年度から、扶養する子ども3人以上の家庭は、所得制限なく授業料・入学金を国の上限まで減免できます。2026年4月時点も同じです。

  • 夫婦合算年収800万円でも、扶養する子が3人以上いれば授業料・入学金の減免対象
  • 減免上限は国公立大学で授業料年約54万円・入学金28万円、私立大学で授業料年70万円・入学金26万円
  • 年収800万円帯は第I〜III区分を超えやすく、給付型奨学金は0円になりやすい
  • 対象となる「子ども3人以上」は、在籍大学生だけでなく扶養している高校生・中学生なども含む
  • 施設設備費・教材費・通学費は対象外

年収800万円の多子世帯でも、「授業料も入学金も生活費もすべて不要」にはなりません。私立大学では授業料が上限70万円を超える部分と、施設費などが自己負担として残ります。

詳しくは別記事「多子世帯の大学無償化:2人目・3人目の減免額を具体的に計算」で解説しています。

ケース2:医療費控除・ふるさと納税などで課税所得が下がる場合

住民税の課税標準額は各種控除が適用された後の金額です。医療費控除(10万円超の医療費)やふるさと納税(住民税の控除)などを利用している場合、課税標準額が下がり、区分の境界ギリギリの家庭では対象になる可能性があります。

ただし、年収800万円の共働き世帯(子2人)でこれらの控除のみで第III区分以内に収まるためには非常に大きな控除額が必要で、一般的ではありません。

ケース3:片方の収入が大幅に変わった場合

修学支援新制度の所得確認は「前年の所得」に基づきます。育休・休職・失業などで前年の所得が大幅に減少した場合、特例措置(家計急変対応)として支援を受けられる可能性があります。


よくある疑問 Q&A

Q. 「年収800万円以下なら無償化対象」という情報を見たことがあります。

A. それは誤りです。第III区分の対象となる年収は、片働き標準家庭(子ども2人)でおおむね380万円前後が上限の目安です。年収800万円という数字が「大学無償化」の基準として使われることはありません。多子世帯の授業料等減免(所得制限なし)を混同している場合もあります。

Q. 子ども3人いれば、年収800万円でも学費はかかりませんか?

A. かかります。多子世帯は所得制限なく授業料・入学金を上限まで減免できますが、私立の授業料が上限を超える部分、施設設備費・教材費・通学費・生活費は自己負担です。給付型奨学金も、年収800万円帯では0円になりやすいです。授業料の一部補填であり、費用がゼロになる制度ではありません。

Q. 子どもが奨学金を借りれば、親の収入は関係なくなりますか?

A. 給付型奨学金(修学支援新制度)は保護者の所得要件があります。貸与型奨学金(JASSO)は一定の所得要件はありますが比較的緩く、年収800万円でも借りられるケースがあります。ただし貸与型は返済義務があります。

Q. 大学入学後に所得が下がった場合、支援を受けられますか?

A. 年収が急減した場合に対応する「家計急変採用」制度があります。失業・休業・離婚など家計が急変した場合、在学中でも随時申請できます。JASSO(日本学生支援機構)のウェブサイトで確認してください。

Q. 所得要件をクリアしても、学業成績が悪いと支援が止まりますか?

A. はい。修学支援新制度は学業要件もあります。GPA(成績の平均点)が下位4分の1に属するなど一定の基準を下回ると、警告・停止になる場合があります。


修学支援新制度の対象外でも活用できる制度

年収800万円の共働き世帯が修学支援新制度の対象外でも、以下の制度を活用できます。

制度 内容 所得制限
貸与型奨学金(第一種・第二種) 無利子・有利子の貸し付け 一定の所得基準あり(比較的緩い)
授業料後払い制度 卒業後に収入に応じて授業料を分割返済 国公立を中心に導入
大学独自の奨学金 各大学が設けた給付・貸与型奨学金 大学による
教育ローン(日本政策金融公庫) 国の教育ローン(固定金利・保証料別)。金利は改定されるため最新案内を確認 世帯収入の上限あり

早めに資金計画を立てることが重要です。大学入学前から積み立てを始める方法については、「子どもの大学費用、月いくら積み立てれば間に合う?」を参考にしてください。


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