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共働き年収800万は大学無償化の対象?所得制限の正確な計算方法

更新日:2026-04-16 / 大学1〜4年生 / 修学支援新制度

共働き年収800万円は、原則として大学無償化の対象外です

先に結論をお伝えします。共働き世帯で年収800万円(夫婦合算)の場合、子ども2人以下であれば大学の修学支援新制度(大学無償化)は原則として対象外です。

ただし以下の場合は例外があります。

  • 子ども3人以上を扶養している家庭:2024年度から導入された「多子世帯特例(第IV区分)」により、所得に関係なく修学支援新制度が適用されます。
  • 世帯の実際の所得割額が基準以下の場合:年収800万円でも、医療費控除など各種控除の影響で所得割額が低くなる場合があります。

この記事では、修学支援新制度の所得制限の仕組みを正確に解説します。


修学支援新制度とは?

修学支援新制度(高等教育の修学支援新制度)は、大学・短大・専門学校の授業料を減免し、かつ給付型奨学金を支給する制度です。2020年度にスタートし、2024年度に対象範囲が拡大されました。

支援の内容(2026年度)

支援内容 国公立大学 私立大学
授業料の減免(上限) 約53.6万円/年 約70万円/年
入学金の減免(上限) 約28.2万円 約26万円
給付型奨学金(自宅通学・第I区分) 約35.2万円/年 約46.2万円/年

支援額は「区分」によって異なります。区分は世帯の市区町村民税の課税標準額で決まります。


所得制限の「区分」の仕組み

修学支援新制度には4つの区分があります。

区分 対象世帯 支援の割合
第I区分 住民税非課税世帯(年収目安270万円以下) 全額支援
第II区分 第I区分の2倍以下の収入目安 2/3支援
第III区分 第I区分の3倍以下の収入目安 1/3支援
第IV区分 子ども3人以上の扶養世帯(所得制限なし) 全額支援

第I〜III区分は住民税の課税標準額と調整控除額を使った計算式で判定されます。年収の「目安」はあくまでも標準的な家族構成(片働き、子ども2人)のケースです。


共働き年収800万円のケースで考える

【モデルケース】

  • 夫:会社員、年収500万円
  • 妻:会社員、年収300万円
  • 子ども:2人(子どもが大学生の場合)

計算ステップ

夫の住民税課税標準額(目安)

給与所得500万円→給与所得控除後約356万円、基礎控除43万円、扶養控除なし(子どもが大学生の場合16歳以上) 課税標準額(夫)≈ 356 − 43 = 313万円

妻の住民税課税標準額(目安)

給与所得300万円→給与所得控除後約202万円、基礎控除43万円 課税標準額(妻)≈ 202 − 43 = 159万円

合算課税標準額:313万円 + 159万円 ≈ 472万円

修学支援新制度の第III区分の基準は合算で概ね年収380万円前後が上限とされており(子ども2人・共働き標準ケース)、472万円は超えています。

→ 子ども2人の共働き年収800万円は、通常は第I〜III区分すべての対象外となります。


対象になる可能性のある例外ケース

ケース1:子ども3人以上を扶養している場合(第IV区分)

2024年度から新設された「第IV区分(多子世帯特例)」では、扶養する子ども3人以上の家庭は所得制限なしで修学支援新制度が適用されます。

  • 夫婦合算年収800万円でも、扶養する子が3人以上いれば対象
  • 支援額は第I区分と同等(授業料全額減免+給付型奨学金)
  • 対象となる「子ども3人以上」は、在籍大学生だけでなく扶養している高校生・中学生なども含む

詳しくは別記事「多子世帯の大学無償化:2人目・3人目の減免額を具体的に計算」で解説しています。

ケース2:医療費控除・ふるさと納税などで課税所得が下がる場合

住民税の課税標準額は各種控除が適用された後の金額です。医療費控除(10万円超の医療費)やふるさと納税(住民税の控除)などを利用している場合、課税標準額が下がり、区分の境界ギリギリの家庭では対象になる可能性があります。

ただし、年収800万円の共働き世帯でこれらの控除のみで第III区分以内に収まるためには非常に大きな控除額が必要で、一般的ではありません。

ケース3:片方の収入が大幅に変わった場合

修学支援新制度の所得確認は「前年の所得」に基づきます。育休・休職・失業などで前年の所得が大幅に減少した場合、特例措置(家計急変対応)として支援を受けられる可能性があります。


よくある疑問 Q&A

Q. 「年収800万円以下なら無償化対象」という情報を見たことがあります。

A. それは誤りです。第III区分の対象となる年収は、片働き標準家庭(子ども2人)でおおむね380万円前後が上限の目安です。年収800万円という数字が「大学無償化」の基準として使われることはありません。多子世帯特例(第IV区分)を混同している場合もあります。

Q. 子どもが奨学金を借りれば、親の収入は関係なくなりますか?

A. 給付型奨学金(修学支援新制度)は保護者の所得要件があります。貸与型奨学金(JASSO)は一定の所得要件はありますが比較的緩く、年収800万円でも借りられるケースがあります。ただし貸与型は返済義務があります。

Q. 大学入学後に所得が下がった場合、支援を受けられますか?

A. 年収が急減した場合に対応する「家計急変採用」制度があります。失業・休業・離婚など家計が急変した場合、在学中でも随時申請できます。JASSO(日本学生支援機構)のウェブサイトで確認してください。

Q. 所得要件をクリアしても、学業成績が悪いと支援が止まりますか?

A. はい。修学支援新制度は学業要件もあります。GPA(成績の平均点)が下位4分の1に属するなど一定の基準を下回ると、警告・停止になる場合があります。


修学支援新制度の対象外でも活用できる制度

年収800万円の共働き世帯が修学支援新制度の対象外でも、以下の制度を活用できます。

制度 内容 所得制限
貸与型奨学金(第一種・第二種) 無利子・有利子の貸し付け 一定の所得基準あり(比較的緩い)
授業料後払い制度 卒業後に収入に応じて授業料を分割返済 2024年度より国公立で導入拡大
大学独自の奨学金 各大学が設けた給付・貸与型奨学金 大学による
教育ローン(日本政策金融公庫) 年利1.95%程度(2026年目安)の教育専用ローン 世帯収入上限あり

早めに資金計画を立てることが重要です。大学入学前から積み立てを始める方法については、「子どもの大学費用、月いくら積み立てれば間に合う?」を参考にしてください。


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