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高校「無償化」の誤解7選:就学支援金で本当に無料になるものは?【2026年版】

更新日:2026-04-10 / 全学年 / 無償化の誤解

「高校無償化」という言葉が生む誤解

2010年の高校無償化政策の開始以来、「高校はタダになった」「私立も無償化された」という言葉がメディアや口コミで広まっています。2026年4月に就学支援金の所得制限が撤廃されたことで、さらにこの誤解が拡大しています。

しかし、現実には高校の費用がゼロになることはありません。就学支援金は「授業料の一部を補填する制度」であり、それ以外の費用は引き続き保護者が全額負担します。

この記事では、よくある誤解を7つ取り上げ、文部科学省のデータをもとに正確な情報をお伝えします。


誤解① 「高校は完全に無料になった」

❌ 誤解

2026年4月から所得制限が撤廃されたので、高校の費用はすべてタダになった。

✅ 正しい理解

就学支援金は「授業料の一部を補填する制度」です。就学支援金が対象とするのは授業料のみであり、以下の費用は引き続き保護者の全額負担です。

  • 入学金・施設整備費
  • 教材費・教科書代(一部を除く)
  • 制服・体操服代
  • 給食費・通学費
  • 部活動費・修学旅行費
  • 塾・予備校費用

文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版によると、公立高校の年間学習費総額の平均は約59.8万円、私立では約103万円です。就学支援金(公立:年約11.9万円、私立:年最大約45.7万円)を差し引いても、相当な費用が残ります。


誤解② 「入学金も就学支援金でまかなえる」

❌ 誤解

所得制限が撤廃されたから、入学金もタダになったはず。

✅ 正しい理解

就学支援金は法律(高等学校等就学支援金法)で「授業料債権への充当」と定められており、入学金には一切適用されません。

費目 就学支援金の対象
授業料 ✅ 対象
入学金 ❌ 対象外(全額自己負担)
施設整備費 ❌ 対象外(全額自己負担)

公立高校の入学金は数千円程度ですが、私立高校の入学金は10〜30万円に上ります。これは就学支援金とは無関係に保護者が全額負担します。


誤解③ 「私立高校は授業料がゼロになる」

❌ 誤解

私立高校も就学支援金が出るから、授業料はかからない。

✅ 正しい理解

私立高校の就学支援金の年間支給上限は**457,200円(約45.7万円)**です。しかし私立高校の授業料は年間60〜100万円以上の学校も多く、上限額を超えた部分は自己負担となります。

授業料の例 就学支援金 自己負担
年間60万円の学校 約45.7万円 約14.3万円
年間80万円の学校 約45.7万円 約34.3万円
年間100万円の学校 約45.7万円 約54.3万円

授業料が就学支援金の上限以内であれば実質無償に近くなりますが、授業料が高い学校では差額を保護者が負担します。


誤解④ 「所得制限撤廃で、高所得世帯が得をした」

❌ 誤解

富裕層ほど恩恵が大きい制度改正だ。

✅ 正しい理解

2026年4月の改正前、高所得世帯(年収約910万円以上)には就学支援金が支給されていませんでした。改正後は全世帯が対象になりましたが、支給額そのものは変わっていません。公立なら年11.9万円、私立なら年最大45.7万円です。

また、改正前は年収に応じた加算支給制度(私立の場合)がありましたが、改正後に廃止されています。低所得世帯には別途「高校生等奨学給付金」が継続して支給されており、所得に応じた支援の枠組みは残っています。


誤解⑤ 「施設費や教材費も無料になる」

❌ 誤解

無償化されたから、教材費や施設費も負担しなくていい。

✅ 正しい理解

就学支援金の対象は授業料のみです。施設費・教材費・副教材費は対象外であり、これらは保護者負担です。

文部科学省の調査では、私立高校の学校教育費(授業料以外も含む)の年間平均は就学支援金適用前で約767,000円です。そこから就学支援金(上限45.7万円)を差し引いても、年間で約31万円以上の学校教育費が残ります。


誤解⑥ 「塾に行かなくても就学支援金でカバーできる」

❌ 誤解

就学支援金があれば、塾代も出してもらえる。

✅ 正しい理解

就学支援金は授業料のみに充当され、塾・予備校費用には一切適用されません。文部科学省の調査によると、高校生の学校外活動費(塾・習い事等)の年間平均は公立で約30.8万円、私立で約26.3万円です。これらは全額保護者負担です。

大学受験を目指す高校3年生では、塾・予備校費用だけで年間50〜150万円に上ることもあります。


誤解⑦ 「高校を卒業すれば教育費の峠を越えた」

❌ 誤解

高校さえ卒業すれば、あとは大学の奨学金でなんとかなる。

✅ 正しい理解

大学進学時には、受験費用(出願料・共通テスト受験料)と入学費用(入学金・初年度授業料)が一気に発生します。

費目 目安
共通テスト受験料 18,000円
大学出願料(私立3校) 90,000〜105,000円
滑り止め私立の入学金 約240,000円(返金なし)
国立大学入学金 282,000円
国立大学初年度授業料 535,800円

国立大学に進学する場合でも、入学初年度だけで100万円以上の支出が必要です(出典:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」)。


正しく理解した上で、教育費を計画する

就学支援金は「授業料の一部を補填する重要な制度」ですが、高校の費用全体をまかなうものではありません。制度を正しく理解した上で、それ以外の費用(入学金・施設費・塾代・受験費用)も含めた教育費の全体計画を立てることが重要です。


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