就学支援金は年収400万だといくら?計算方法と支給区分の早見表
結論:年収400万円(片働き・子1人)なら月額38,100円・年間457,200円が目安
年収400万円・片働き・配偶者あり・子ども1人(16歳以上)の家庭が私立高校全日制に通わせる場合、就学支援金は月額38,100円(年間457,200円)の満額支給が目安です。
ただし「年収400万円」という数字だけで支給額が決まるわけではありません。就学支援金の区分を決めるのは「市区町村民税の所得割額」です。家族構成や控除の内容によって所得割額は大きく変動するため、本記事では計算ステップを順を追って解説します。
就学支援金は授業料のみを補填する制度です。入学金・施設費・教材費・通学費・制服代は対象外です。「授業料の実質負担額を軽減する制度」としてご理解ください。出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
就学支援金の支給区分はどう決まるか
就学支援金の支給額は、保護者の**市区町村民税の所得割額(市民税部分)**の合計で区分されます。共働き世帯は父母の所得割額を合算します。
私立高校全日制の支給区分(令和8年4月施行)
| 所得割額の合計 | 月額支給上限 | 年間支給上限 |
|---|---|---|
| 154,500円未満 | 38,100円 | 457,200円 |
| 154,500円以上〜304,200円未満 | 9,900円 | 118,800円 |
| 304,200円以上 | 支給なし | — |
出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度(令和8年4月改正)」
「154,500円未満」に収まるかどうかが、満額受給かどうかのターニングポイントです。年収400万円の片働き世帯がこの条件を満たすかどうか、実際に計算してみましょう。
年収400万円・片働き・子1人の所得割額を計算する
以下のモデルケースで計算手順を追います。
【モデルケース】
- 夫:会社員・年収400万円
- 妻:専業主婦(収入なし)
- 子ども:1人(16歳以上の高校生)
ステップ1:給与所得を求める
給与収入から「給与所得控除」を差し引いて「給与所得」を求めます。
| 給与収入 | 給与所得控除(概算) | 給与所得 |
|---|---|---|
| 400万円 | 124万円 | 276万円 |
出典:国税庁「給与所得控除額の計算方法」(令和5年度以降)
ステップ2:住民税の課税所得を求める
住民税の計算では、給与所得から以下の控除を差し引きます。
| 控除の種類 | 金額(住民税) | 備考 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 43万円 | 本人分 |
| 配偶者控除 | 33万円 | 配偶者の収入が103万円以下の場合 |
| 扶養控除 | 33万円 | 16歳以上の子ども1人 |
| 合計控除額 | 109万円 |
課税所得 = 276万円 − 109万円 = 167万円
ステップ3:所得割額を計算する
住民税の所得割税率は一律6%(市民税分)です。
所得割額(概算)= 167万円 × 6% = 100,200円
調整控除(2,500円)を差し引くと ≒ 97,700円
判定結果
| 計算項目 | 金額 |
|---|---|
| 課税所得 | 167万円 |
| 所得割額(目安) | 約97,700円 |
| 判定 | 154,500円未満 → 満額区分 |
| 就学支援金 | 月額38,100円・年間457,200円 |
所得割額97,700円は154,500円を大きく下回るため、月額38,100円(年間457,200円)の満額支給を受けられる見込みです。
支給区分の早見表:年収別・家族構成別
計算の目安として、以下の早見表を参考にしてください。実際の所得割額は控除の詳細によって異なります。
片働き・配偶者あり・子ども1人(16歳以上)の場合
| 年収(夫のみ) | 所得割額(目安) | 支給区分 | 月額 | 年間 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約50,000円 | 満額 | 38,100円 | 457,200円 |
| 400万円 | 約97,700円 | 満額 | 38,100円 | 457,200円 |
| 500万円 | 約158,000円 | 逓減区分 | 9,900円 | 118,800円 |
| 600万円 | 約226,000円 | 逓減区分 | 9,900円 | 118,800円 |
| 700万円 | 約310,000円 | 支給なし | 0円 | 0円 |
※所得割額はモデルケースに基づく概算です。実際には確定申告・自治体の課税証明書の値で判定されます。
共働きの場合(妻パート収入100万円)はどうなる?
妻がパートで年収100万円の場合、妻にも所得割額が発生します。就学支援金は父母の所得割額を合算して区分を判定するため、注意が必要です。
【共働きモデルケース】
- 夫:会社員・年収400万円(所得割額 約97,700円)
- 妻:パート・年収100万円
妻の所得割額を計算する
| 計算項目 | 金額 |
|---|---|
| 給与収入 | 100万円 |
| 給与所得控除 | 55万円 |
| 給与所得 | 45万円 |
| 基礎控除(住民税) | 43万円 |
| 課税所得 | 約2万円 |
| 所得割額(目安) | 約1,200円 |
合算後の所得割額と判定
| 夫の所得割額 | 妻の所得割額 | 合算 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 約97,700円 | 約1,200円 | 約98,900円 | 154,500円未満 → 満額 |
この場合、妻の年収100万円程度であれば合算後も154,500円未満に収まるため、満額の月額38,100円(年間457,200円)を受け取れる見込みです。
ただし、妻の収入が増えるほど合算後の所得割額は上昇します。妻の年収が200〜250万円を超えると区分が変わる可能性があるため、注意が必要です。
就学支援金でまかなえない費用とは
就学支援金は授業料のみが対象です。私立高校に通う場合にかかる費用のうち、支援の対象外となる費用も把握しておきましょう。
私立高校の費用内訳(年間・目安)
| 費用の種類 | 年間目安 | 就学支援金の対象 |
|---|---|---|
| 授業料 | 45〜60万円 | 対象 |
| 入学金(初年度のみ) | 15〜25万円 | 対象外 |
| 施設設備費 | 10〜20万円 | 対象外 |
| 教材費・学用品 | 5〜10万円 | 対象外 |
| 通学費(年間) | 10〜20万円 | 対象外 |
| 塾・習い事 | 20〜40万円 | 対象外 |
出典:文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版(私立高校平均103万円/年)
授業料以外にも多くの費用がかかります。就学支援金で授業料の実質負担額を軽減できても、入学金や施設費・塾代などは全額自己負担となります。
自治体の上乗せ補助制度も確認しておこう
国の就学支援金に加え、お住まいの都道府県・市区町村による上乗せ補助が受けられる場合があります。
上乗せ補助の例
| 自治体 | 補助の概要 |
|---|---|
| 東京都 | 所得制限なしで私立高校授業料を補助(年度により内容変更あり) |
| 大阪府 | 私立高校授業料の補助制度あり(所得要件あり) |
| 神奈川県 | 私立高校等への授業料補助制度あり |
自治体の補助は国の制度とは別枠で支給されるため、合算することで実質負担額がさらに軽減される場合があります。お住まいの都道府県の教育委員会ウェブサイトや、学校からの案内で詳細を確認してください。
よくある Q&A
Q. 就学支援金は毎年申請が必要ですか?
A. 入学時の初回申請のほか、毎年度の収入確認(課税証明書の提出など)が必要です。学校から案内がありますので、見逃さないようにしてください。7月頃に当年度の支給額が確定します。
Q. 確定申告をしている自営業者でも受け取れますか?
A. 受け取れます。自営業者の場合は事業所得から必要経費等を差し引いた後の課税所得をベースに所得割額が計算されます。課税証明書の「市民税所得割額」の欄を確認してください。
Q. 就学支援金は授業料の上限まで全額もらえますか?
A. 就学支援金は「授業料のうち、上限額を超えない部分」を補填します。授業料が年間457,200円(月額38,100円)以下であれば実質的に授業料の自己負担がなくなる場合もありますが、入学金・施設費などは引き続き自己負担です。
Q. 高校に入学した年(1年生)の4月から支給されますか?
A. 入学後に申請手続きを行い、7月頃から支給が始まるのが一般的です。4〜6月分は遡って支給される場合と、7月以降から支給開始となる場合があります。学校によって異なるため、入学後の案内を確認してください。
Q. 授業料が就学支援金の上限(457,200円)を超えた場合は?
A. 超えた部分は自己負担です。たとえば授業料が年間55万円の場合、就学支援金457,200円を差し引いた約92,800円が自己負担となります。
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