教育費ガイド

上の子が大学受験、下の子が中学受験…同じ年に重なる家計のダブルパンチ試算

更新日:2026-06-23 / 全学年 / 教育費・受験費用・家計

結論:大学受験と中学受験が重なる年は「教育費の最大ピーク」になりやすい

子どもが複数いる家庭で最も家計負担が重くなる年の1つが、上の子が大学受験・下の子が中学受験と重なる年です。

この年は、受験費用・塾代・入学金が同時に発生するため、年間の教育費が300〜500万円を超えることもあります。しかも受験の時期(1〜3月)は入学金の振り込み期限が短く、「お金の準備が間に合わなかった」という事態が起こりやすい時期でもあります。

この記事では、このダブル受験年の費用を試算し、備え方を具体的に解説します。


ダブル受験年に発生する費用の全体像

上の子(大学受験)の費用

受験期(高3・2〜3月)の主な支出

費用項目 金額目安
塾・予備校代(高3通年) 月5〜12万円(年60〜140万円)
大学入学共通テスト受験料 18,000円(3教科以上)
国公立2次・私立大学受験料 1校あたり35,000円(私立)〜17,000円(国公立)
受験交通費・宿泊費 1〜10万円(遠方受験の場合)
合格後の入学金 国立約28万円・私立約24万円
大学1年次授業料 国立約54万円・私立約96万円

大学受験だけで、高3の1年間の支出は150〜250万円になることがあります。

下の子(中学受験)の費用

受験期(小6・1〜3月)の主な支出

費用項目 金額目安
中学受験塾代(小4〜小6の3年間合計) 200〜300万円
塾代(小6最終学年・上乗せ) 月10〜15万円(講習費込み)
受験料(複数校) 1校あたり20,000〜30,000円
合格後の入学金 私立中学で約20〜30万円
制服・教材・入学準備 10〜20万円

出典:文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版


重なった場合の年間費用試算

モデルケース:年齢差6歳のきょうだい

  • 上の子:高3(大学受験)→ 私立大学に進学
  • 下の子:小6(中学受験)→ 私立中学に進学

同じ年(この例では高3=小6の年)の費用試算

費用カテゴリ 上の子(大学受験) 下の子(中学受験) 合計
塾・予備校代(年間) 約120万円 約150万円(小6年間・講習込み) 約270万円
受験費用 約15万円(私立3校受験) 約6万円(3校受験) 約21万円
入学金 約24万円(私立大) 約25万円(私立中) 約49万円
初年度授業料(4〜9月) 約48万円(私立大・半期) 約30万円(私立中・半期) 約78万円
その他(交通費・制服等) 約5万円 約15万円 約20万円
合計 約212万円 約226万円 約438万円

この試算では1年間で約438万円の教育費が発生します。これは多くの共働き世帯の年間手取り収入の半分以上に相当することもあります。


この年を乗り越えるための備え方

ポイント1:「ダブル受験年」がいつ来るか早めに把握する

年齢差によってダブル受験年は異なります。

きょうだいの年齢差 ダブル受験年が来やすい組み合わせ
6歳差 上が高3=下が小6(大学受験×中学受験)
3歳差 上が高3=下が中3(大学受験×高校受験)
5歳差 上が大1〜2年=下が高1〜2年(授業料が重なる)

早めにシミュレーションすることで、「重なる年の2〜3年前から別積み立てを始める」という対策を取れます。

ポイント2:入学金の「振込期限」に要注意

大学・私立中学の入学金は合格発表から数日〜1週間以内に振り込む必要があります。複数校合格した場合でも、「滑り止めの入学金を払いながら本命の結果を待つ」という状況が生じます。

2校分の入学金(大学24万円+中学25万円)を同じ2月・3月中に用意しなければならないケースがあるため、受験前年(高2・小5の時点)に流動性の高い現金を50万円以上手元に確保しておくことが重要です。

ポイント3:NISAの教育費を「いつ現金化するか」を計画する

NISAで教育費を積み立てている場合、受験前年(高2・小5の時点)には段階的に現金化を始めることをおすすめします。

受験本番(高3・小6)の年に市場が下落していても、すでに現金化した分は影響を受けません。2〜3年かけて段階的に現金化する「分散出口」が安全です。


よくある誤解 Q&A

Q. 大学受験と中学受験が重なる年齢差は6歳だけですか?

A. 大学受験と中学受験の両方が小6×高3に重なるのは6歳差ですが、受験費用・入学金・塾代が重なる意味では「上が大学在学中=下が私立中高」という6〜9年差の期間も費用が重なります。

Q. 下の子の中学受験をやめるという選択肢はどうですか?

A. 教育費のダブルパンチを緩和する有力な選択肢の1つです。「中学受験の費用を大学費用に回す」という選択は一定の合理性があります。ただし子どもの意欲・志望校との兼ね合いで判断することが重要です。

Q. 上の子を国公立大学に絞って受験させると費用はどう変わりますか?

A. 国公立大学に絞ると、入学金(約28万円)と授業料(国立約54万円/年)が私立より低くなります。合計すると私立大学との差は初年度だけで約65万円程度。中学受験費用との合計で見ると、国公立シフトは有効な費用軽減策になります。

Q. 中学受験塾の費用を抑える方法はありますか?

A. 大手進学塾(四谷大塚・サピックス等)の代わりに、個別指導塾や通信教育(速読解力講座など)を活用することで、費用を抑えながら受験対策をする家庭もあります。費用対効果は子どもの学習スタイルによって異なります。


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出典・参考資料

  • 文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版
  • 文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」

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