教育費が足りない…今からできる3つの対策【年収別シミュレーション】
教育費の不安を感じているなら、まず現状を把握することから
「子どもが大学まで行ったらいくらかかるのか」「今の貯蓄で足りるのか」——この不安を漠然と抱えている方は多いです。
しかし、教育費の「足りない」問題は多くの場合、正確な数字を把握していないことから生まれます。まず現状を数字で確認することが、解決への第一歩です。
文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版によると、子ども1人を幼稚園から大学(私立)まで育てた場合の教育費総額は概算で1,000万〜2,000万円超になることもあります。一方で公的な補助制度(就学支援金・修学支援新制度・児童手当など)を最大限活用すると、自己負担額を大幅に削減できます。
学校段階別の教育費の目安
まず、どの段階でいくらかかるのかを把握しましょう。
| 学校段階 | 年間費用(公立) | 年間費用(私立) |
|---|---|---|
| 小学校(6年間) | 約35万円/年 | 約166万円/年 |
| 中学校(3年間) | 約53万円/年 | 約144万円/年 |
| 高校(3年間) | 約51万円/年 | 約102万円/年 |
| 大学(4年間) | 約110万円/年 | 約154万円/年 |
子どもがすべて公立進学の場合でも、18年間の累計教育費は約800万円前後になります。私立・有名大学進学などを検討している場合は1,500万〜2,000万円超になることもあります。
対策1:公的制度を全部使う
多くの家庭が利用できる公的制度を、まず全部確認することが最優先です。
児童手当(2024年拡充版)
| 子どもの年齢 | 月額 | 特記 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円 | — |
| 3歳〜小学校修了 | 10,000円(第3子以降15,000円) | — |
| 中学生 | 10,000円 | — |
| 高校生(2024年拡充) | 10,000円 | 2024年10月から新たに追加 |
2024年10月の拡充で、高校生(16〜18歳)への児童手当が追加されました。高校在学中の3年間で最大36万円(月1万円×36か月)を受け取れます。申請が必要な場合があるので、お住まいの市区町村に確認してください。
就学支援金(高校)
年収約590万円未満(片働き・子2人の目安)の家庭が私立高校に通わせる場合、授業料から月額38,100円(年間約46万円)が補填されます。3年間では最大137万円の補助になります。
修学支援新制度(大学)
低所得〜中所得世帯、および子ども3人以上の世帯は、大学の授業料減免と給付型奨学金を受けられます。国公立大学では授業料相当(年間約54万円)、私立大学では最大70万円が減免されます。
自治体の補助金
東京都・大阪府など一部の自治体は国の制度に上乗せして独自の教育費補助を実施しています。お住まいの都道府県・市区町村のウェブサイトで確認してください。
対策2:積み立てを今すぐ始める
公的制度を最大限活用しても、自己負担分は残ります。早めに積み立てを始めることが重要です。
積み立て手段の比較
| 積み立て方法 | メリット | デメリット | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 学資保険 | 元本保証・強制力がある | 利回りが低い(0〜1%程度) | 確実に積み立てたい・リスクを避けたい |
| つみたてNISA(教育費活用) | 非課税で運用できる・自由度高い | 元本割れリスクあり | 10年以上の長期運用ができる |
| 定期預金・普通預金 | 元本保証・すぐ引き出せる | 金利が低い | 数年以内に使う予定の資金 |
| ジュニアNISA(2023年終了) | 終了済みのため新規積立不可 | — | — |
投資信託・つみたてNISAは元本割れのリスクがあります。余裕資金の範囲で検討し、長期での積み立てを前提にした場合にのみ有効な選択肢です。
月いくら積み立てればいいか(目安)
| 目標金額 | 積立期間 | 月額積立目安(利回り0%) | 月額積立目安(利回り3%想定) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 10年 | 25,000円 | 21,500円 |
| 300万円 | 15年 | 16,700円 | 12,900円 |
| 500万円 | 18年 | 23,100円 | 16,000円 |
| 1,000万円 | 18年 | 46,300円 | 32,000円 |
※利回りはあくまでも試算の参考値です。実際のリターンは保証されません。
今すぐ始めることが最重要です。 子どもが生まれた直後から始めれば18年間積み立てられますが、子どもが中学生になってから始めると積立期間が5〜6年しかない場合もあります。
児童手当をそのまま積み立てる
2024年度の拡充後、0歳〜18歳まで児童手当を受け取り続けた場合の総額は約250万円(月1万円×18歳まで)になります。これを全額使わずに積み立てておくだけでも、大学費用の一部をまかなえます。
対策3:費用を下げる選択肢を検討する
積み立てを増やすことと並行して、教育費そのものを抑える選択も有効です。
塾・習い事の見直し
月3〜5万円の塾費用が年間36〜60万円になります。通信教育(月3,000〜8,000円、年間36,000〜96,000円)への切り替えで、年間20〜50万円の節約になります。「通信教育 vs 塾 費用対効果【中学生版】」も参考にしてください。
公立進学も選択肢として比較する
私立か公立かの選択は、就学支援金の適用後の実質費用差を確認した上で判断してください。年収590万円以下の家庭では、就学支援金を最大活用すると私立高校の実質費用が公立とほぼ同水準になるケースもあります。「公立 vs 私立 高校3年間の費用差はいくら?」で比較できます。
大学の奨学金・授業料後払いを活用する
教育費が足りないなら、子ども自身が奨学金(給付型・貸与型)を活用することも選択肢の一つです。給付型奨学金は修学支援新制度の対象者が主ですが、大学独自の奨学金は比較的対象が広い場合があります。
年収別:優先すべき対策の考え方
| 年収 | まず確認すること | 積み立て戦略 |
|---|---|---|
| 〜400万円 | 就学支援金・修学支援新制度・就学援助の最大活用 | 学資保険で確実に積み立て |
| 400〜600万円 | 就学支援金(最大区分か確認)・児童手当の積立活用 | 学資保険+つみたてNISAの組み合わせ |
| 600〜900万円 | 就学支援金(中間区分の確認)・多子世帯特例の確認 | つみたてNISA中心・余剰資金を活用 |
| 900万円超 | 公的補助は限定的。自力での積み立てが重要 | つみたてNISA・教育ローンの準備も |
FP(ファイナンシャルプランナー)への相談を検討する
教育費の計画は家庭全体のお金の計画と密接に関わります。老後の資金計画・住宅ローンとの兼ね合いなど、複合的な判断が必要な場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)への相談も選択肢です。
教育費専門のFP相談窓口であれば、ご自身の収入・資産・子どもの進路計画をもとに具体的なアドバイスをもらえます。
よくある疑問 Q&A
Q. 今から始めても遅いですか?子どもが中学生です。
A. 遅くはありません。中学生から始めても6〜7年の積立期間があります。まず公的制度の確認(就学支援金・修学支援新制度の対象確認)から始め、残り期間で積み立てできる金額を把握しましょう。
Q. 教育費と老後の資金、どちらを優先すべきですか?
A. 一般的には教育費には期限があるため(子どもが大学を卒業する年齢まで)、老後資金より先に確保するケースが多いです。ただし老後資金を後回しにしすぎると老後の生活に影響します。バランスは家庭の状況によります。
Q. 教育費を貯めるのに一番おすすめの方法は何ですか?
A. 「一番」は家庭の状況によって異なります。確実性を重視するなら学資保険・定期預金、長期の運用効率を重視するならつみたてNISAが選択肢です。どちらも「今すぐ始める」ことが最重要です。
あなたの家庭の教育費総額を計算する
子どもの年齢・進路・家族構成を入力すると、必要な教育費の総額と今から積み立てるべき月額がわかります。
Gaku-Simで教育費を試算する
あなたの家庭の教育費の実態を数字で把握しましょう。