年収600万・子ども2人の教育費シミュレーション【私立中学進学コース】
結論:年収600万・私立中学進学は「厳しいが不可能ではない」——計画が全て
年収600万円で子どもを私立中学に進学させることは、家計管理次第で実現できます。ただし「なんとかなる」という楽観は危険です。
文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版によると、私立中学の年間学習費は約156万円。子ども2人が2〜3年重なる時期は、年間300万円超が教育費だけで出ていきます。年収600万円(手取り約470万円)の家庭では、住居費・生活費と合わせると赤字になるリスクが高いです。
この記事では、小学校入学から大学卒業まで20年間の教育費を年収600万円世帯でシミュレーションします。
前提条件:このシミュレーションの設定
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| 世帯年収 | 600万円(手取り約470万円) |
| 子どもの人数 | 2人 |
| 年齢差 | 3歳差 |
| 第1子の進路 | 私立中学→私立高校→私立大学(文系) |
| 第2子の進路 | 公立中学→公立高校→国公立大学 |
| 住居 | 持ち家(住宅ローン月9万円) |
現実的な「片方を私立、片方を公立」という家庭のケースで試算します。
学校段階別の年間教育費(2026年時点)
第1子(私立中学コース)の教育費
| 学校段階 | 年間費用(目安) | 内訳 |
|---|---|---|
| 小学校(公立) | 約33.6万円 | 学校費+塾代含む |
| 中学受験塾(小4〜小6) | 約80〜100万円/年 | 大手進学塾の場合 |
| 私立中学(3年間) | 約156万円/年 | 学費+学校外活動費 |
| 私立高校(3年間) | 約103万円/年 | 就学支援金適用前 |
| 就学支援金(私立高校) | △約45.7万円/年 | 令和8年改正後の上限 |
| 私立大学文系(4年間) | 約147万円/年 | 授業料+初年度入学金 |
出典:文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版
就学支援金は授業料のみが対象です。入学金・施設費・教材費・通学費は対象外となります(2026年4月時点)。
第2子(公立コース)の教育費
| 学校段階 | 年間費用(目安) |
|---|---|
| 小学校(公立) | 約33.6万円 |
| 公立中学 | 約54.2万円 |
| 公立高校 | 約59.8万円 |
| 国公立大学(4年間) | 約81.8万円/年(初年度のみ入学金含む) |
20年間の教育費ピーク試算
第1子が中学1〜3年・第2子が小学4〜6年(最初のピーク)
| 費目 | 年間費用 |
|---|---|
| 第1子 私立中学 | 156万円 |
| 第2子 公立小学校+塾 | 50万円 |
| 合計 | 約206万円 |
第1子が大学1〜2年・第2子が高校1〜2年(最大のピーク)
| 費目 | 年間費用 |
|---|---|
| 第1子 私立大学(授業料+生活費) | 約200万円 |
| 第2子 公立高校 | 約60万円 |
| 合計 | 約260万円 |
手取り470万円から住宅ローン(年108万円)・生活費(年240万円)を引くと、教育費に回せるのは年間約120万円が上限ラインです。ピーク時は年間140〜260万円が必要となり、貯蓄の取り崩しが必須になります。
中学受験塾費用:小4〜小6の3年間で総額300万円超
私立中学進学コースで最も見落とされがちなのが、受験塾の費用です。
大手進学塾(SAPIX・四谷大塚・日能研など)の場合:
| 学年 | 月額(授業料のみ) | 年間目安(夏期・冬期講習含む) |
|---|---|---|
| 小学4年生 | 3〜4万円 | 50〜60万円 |
| 小学5年生 | 4〜5万円 | 70〜80万円 |
| 小学6年生 | 6〜8万円 | 100〜120万円 |
3年間合計:220〜260万円
この費用は就学支援金など公的補助の対象外です。家計に計上していない家庭が多く、「気づいたら貯蓄がゼロになっていた」という事態を招きます。
年収600万・子2人で私立中学を実現する3つの条件
1. 教育費積み立てを小学校入学前から始める
受験塾が始まる小4(第1子が10歳)までに300万円以上を教育費専用口座に準備する必要があります。
子どもが0歳から月2万円積み立てると、10年で240万円。運用ありなら300万円超も可能です。
2. 住宅ローンの完済時期を教育費ピーク前に設定する
第1子が私立大学在学中かつ第2子が高校生の時期(ピーク時)に住宅ローンが残っていると、家計が完全に破綻します。
年収600万円世帯では、教育費ピーク到来前(第1子が高2頃)に住宅ローン残債を大幅に減らすことが必須です。
3. 第2子は公立コースを前提にする
第2子も私立中学に進学する場合、ピーク時の教育費は年間300万円超になります。年収600万円世帯では現実的に維持困難です。「第1子は私立、第2子は公立」という選択は合理的です。
よくある誤解 Q&A
Q. 児童手当を全額貯めれば足りる?
A. 2024年拡充後の児童手当(高校生まで月1万円)を全額貯めると、第1子・第2子合わせて総額約480万円になります。中学受験塾費用(約250万円)は賄えますが、私立大学4年間の費用(約590万円)には足りません。児童手当は「ベース」であり、別途の積み立てが必要です。
Q. FP相談は必要?
A. 年収600万円での私立中学進学は、家計全体の設計が必要な判断です。教育費だけでなく老後資産・住宅ローン・保険の見直しも含めて、ファイナンシャルプランナーへの相談を強くお勧めします。おかねくらし相談(提携FP)では無料相談も受け付けています。
Q. 私立中学の奨学金は使える?
A. 多くの私立中学に独自の奨学金制度があります。ただし条件(成績・世帯収入)が厳しいケースが多く、安定した財源にはなりにくいです。入学前に学校に確認することをお勧めします。
Q. 就学支援金で私立高校の負担はどれくらい減る?
A. 令和8年改正後の就学支援金上限は年間約45.7万円(私立全日制)です。ただしこれは授業料のみ対象。施設費・教材費・制服代などは別途かかります。私立高校の年間学習費(約103万円)から就学支援金を差し引いた実質負担は年間約57万円前後が目安です。
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