教育費ガイド

子ども3人の教育費ピークはいつ?きょうだい重なりの試算と対策

更新日:2026-05-21 / 全学年 / 教育費総額・家計計画

結論:子ども3人の教育費ピークは「受験が3人重なる年」と「大学費用が同時発生する年」の2段階で来る

子どもが3人いる家庭では、教育費のピークが1回ではなく複数回訪れます。特に塾代が重なる受験期と、大学初年度費用が複数人分かかる年は、月の支出が家計を大きく圧迫します。

最悪のシナリオとして想定されるのは、**長子が高3・次子が中3・三子が小6という「3人同時受験期」**です。この年は各学年の塾代が最高水準に達し、月合計で20〜30万円超の教育関連費になることがあります。

この記事では年齢差別の重なり方を整理し、いつ・いくら備えればよいかを具体的に解説します。

本記事で使用する学習費データは文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」に基づきます。塾代は家庭によって大きく異なるため、記載の金額は参考値です。


子ども3人の学習費:文科省データで総額を把握する

まず1人あたりの年間学習費(授業料・塾代・教材費などすべて含む)を確認します。

年間学習費の目安(1人当たり)

学校段階 公立 私立
小学校(6年間合計) 約211万円 約981万円
中学校(3年間合計) 約163万円 約468万円
高校(3年間合計) 約179万円(59.8万円×3) 約309万円(103万円×3)
大学(4年間合計・国立) 約282万円(535,800円×4+入学金282,000円)
大学(4年間合計・私立) 約404万円(959,205円×3+初年度入学金240,806円)

出典:文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」「国立大学の授業料・入学金」「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」

子ども3人が全員公立(小・中・高・国立大)を卒業した場合でも、単純合計で1人約820万円×3人=約2,460万円になります。全員が私立コースでは3,000万円を大きく超えることもあります。


最悪シナリオ:長子小6・次子中3・三子高3の受験3重複

最もきつい時期を具体的に見てみましょう。

【モデルケース】

  • 長子:小学6年生(中学受験を検討・または地域の公立中へ進学準備)
  • 次子:中学3年生(高校受験)
  • 三子:高校3年生(大学受験)

この年の月間教育費(塾代のみ・目安)

子ども 学年 塾代の目安(月)
長子 小6(受験準備または補習) 5〜8万円
次子 中3(高校受験) 6〜10万円
三子 高3(大学受験) 8〜15万円
合計 約20〜30万円超

この月額に学校の授業料・諸費用・交通費・模試代が加わります。特に冬の受験シーズン(12〜2月)は複数の受験料・宿泊費・交通費が重なります。

一時出費の目安(受験年度)

費用 金額目安
大学受験(共通テスト+私立2〜3校) 約6〜10万円
高校受験(私立1〜2校+公立) 約3〜5万円
中学受験(受験する場合) 約5〜15万円
入学金・制服・教材費(複数人) 約20〜50万円

春先に3人分の入学・進学が重なると、数ヶ月で100万円超の支出になることも珍しくありません。


年齢差別シナリオ:きょうだいの重なり方は年齢差で変わる

年齢差によって、費用が重なる時期と総額への影響が異なります。

2歳差(長子・次子・三子が2歳ずつ)

長子 次子 三子 主な重なり
中3 小6 小4 高校受験と小6塾開始が重なり始める
高3 中3 中1 大学・高校受験の塾代がダブル
大2 高3 高1 大学授業料+高3塾代+高1費用が3重
大4 大2 高3 大学費用2人分+高3受験費

2歳差では大学費用と受験費用が連続して発生しやすく、教育費の高い時期が7〜10年間にわたって続く傾向があります。

3歳差(長子・次子・三子が3歳ずつ)

長子 次子 三子 主な重なり
高3 中3 小6 3人同時受験年。塾代のピーク
大1 高1 中1 大学初年度費用+高校入学費+中学費
大4 高3 中3 大学最終年+大学受験+高校受験

3歳差は「3人同時受験年」が1〜2回発生しやすい構成です。月間塾代が最大になる年が存在する一方で、費用の高い時期が比較的集中しやすく、乗り越えた後に貯蓄回復の余地が生まれやすいとも言えます。

4歳差(長子・次子・三子が4歳ずつ)

長子 次子 三子 主な重なり
高3 中2 小5 大学受験と中2・小5費用が始まる
大1 中3 小6 大学初年度費用+高校受験塾が同時
大4 大1 中3 2人分の大学費用+高校受験

4歳差は1度に発生する費用のピークは抑えられますが、教育費の高い時期が12〜14年と非常に長く続く点が特徴です。貯蓄を回復する余裕がないまま次のピークが来るリスクに注意が必要です。


3人目の児童手当:加算を積み立てに活用する

2024年10月の制度改正以降、児童手当の「第3子加算」が拡充されています。

現行の児童手当月額(2024年10月〜)

子どもの区分 月額
3歳未満(第1・2子) 15,000円
3歳〜高校生年代(第1・2子) 10,000円
3歳未満(第3子以降) 30,000円
3歳〜高校生年代(第3子以降) 30,000円

出典:こども家庭庁「児童手当制度の概要」(令和6年10月改正)

第3子以降は月30,000円(3歳〜高校生年代)と、第1・2子の3倍です。この差額分を丸ごと積み立てに回すと、0〜18歳の18年間で最大648万円(30,000円×12ヶ月×18年)の準備ができます。

積み立て活用のポイント

  • 第3子の児童手当(月30,000円)を学資保険・つみたてNISA・定期預金などに自動振り分けする
  • 早く始めるほど運用期間が長く取れ、受験費・大学費用のまとまった出費に備えやすい
  • 第1・2子の大学費用と重なるタイミングを逆算して、取り崩し時期を明確にしておく

子ども3人の教育費ピークを乗り越えるための4つの対策

対策1:早期から積み立てを始める

子どもが生まれた時点から積み立てを開始することが最も有効です。月1〜2万円でも15〜18年続けると、受験期・大学入学期の自己負担を大きく減らせます。

対策2:生命保険の見直しをする

主たる生計者が万一の場合、3人の教育費をすべて賄えるかを確認します。子どもが小さいうちは死亡保障を手厚くし、教育費ピークが過ぎたら保障額を見直すことで、保険料を効率化できます。

対策3:教育ローンの借り過ぎに注意する

ピーク年に家計が逼迫すると、教育ローンや奨学金の借り過ぎにつながりがちです。貸与型奨学金は子ども本人の返済義務があり、社会人スタート時の家計に影響します。借りる額は「月の返済額が給与の10〜15%以内」を目安に慎重に検討してください。

対策4:ピーク年表を家族で共有する

子どもの現学年から大学卒業(またはその先)までを一覧にし、「いつ・いくら必要か」を家族で把握しておくことが重要です。共働きの場合は、育児休業・時短勤務によって収入が変動する時期と教育費ピークが重ならないかもあわせて確認しましょう。


よくある Q&A

Q. 子ども3人の教育費総額はどのくらいになりますか?

A. 全員が公立(小・中・高・国立大)を卒業した場合、1人あたり約820万円、3人で約2,460万円が目安です。高校や大学が私立になると1人あたりが大きく増え、3人分では3,000万円超になることもあります。文部科学省のデータをもとに進路別に試算することをおすすめします(出典:文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」)。

Q. 3人目は「無償化」で費用がかからなくなりますか?

A. 現行制度では、就学支援金(高校段階)や修学支援新制度(大学段階)によって授業料の実質負担額を軽減できる場合があります。ただし「完全無償」にはなりません。入学金・施設費・教材費・塾代・通学費は対象外で、自己負担が残ります。

Q. 3人同時受験の年にお金が足りなくなった場合、どうすればいいですか?

A. 日本政策金融公庫の教育一般貸付(上限350万円)や、各大学・高校が設ける授業料分割払い制度を活用する方法があります。ただし、利息や返済計画を事前に確認したうえで利用することが大切です。

Q. 3歳差と2歳差、どちらが教育費の負担は大きいですか?

A. 一度に発生する費用のピークは3歳差の「3人同時受験年」が最も高くなりやすいです。一方で2歳差は費用の高い時期が長期にわたって続くため、合計の負担感は大きくなりやすいです。どちらも年間収支の年表をつくって計画的に備えることが重要です。

Q. 児童手当の第3子加算は何歳まで受け取れますか?

A. 2024年10月改正後の制度では、児童手当は18歳(高校生年代の3月31日まで)が支給対象です。第3子加算(月30,000円)は3歳以降・高校生年代まで適用されます(出典:こども家庭庁「児童手当制度の概要」)。


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