教育費ガイド

2026年度の教育費制度はどう変わる?就学支援金・児童手当・大学無償化まとめ

更新日:2026-09-04 / 全学年 / 就学支援金・修学支援新制度・児童手当

結論:2026年度は教育費補助の「3大改正」が同時に効いている——家庭への影響は大きい

2026年度(令和8年度)は、子育て世帯の教育費に関わる制度改正が複数重なる年です。2026年4月時点の主な柱は次の3つです。

  1. 就学支援金の所得制限撤廃(令和8年4月施行)
  2. 大学の修学支援新制度の多子世帯拡大(2025年度〜継続)
  3. 児童手当の高校生年代への延長(2024年10月〜継続・定着)

「なんとなく補助が増えた気がする」という感覚がある方も多いですが、どの制度が・誰に・いくら適用されるかは制度ごとに大きく異なります。この記事では2026年4月時点の制度を一覧でまとめ、家庭ごとの影響を具体的に解説します。就学支援金は授業料の一部補填であり、入学金・施設費・教材費・通学費は対象外です。授業料以外まで家計負担がなくなる制度ではありません。


改正①:就学支援金の所得制限撤廃(令和8年4月施行)

何が変わったか

高校授業料を補填する「高等学校等就学支援金」は、2026年4月(令和8年度)から所得制限が撤廃されました。

改正前:年収約910万円以上の世帯は対象外 改正後:所得制限なし(国籍・在留資格の要件は維持)

支給上限額(令和8年4月施行・改正後)

学校区分 月額上限 年間上限
私立高校(全日制) 38,100円 457,200円
公立高校(全日制) 9,900円 118,800円
私立高校(通信制) 28,100円 337,200円

根拠:「高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和8年政令第88号)」、文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」

家庭への影響

  • 年収910万円以上の世帯:今まで対象外だったが、2026年4月から初めて就学支援金を受け取れるようになった
  • 年収910万円未満の世帯:制度継続。上限額が私立全日制で月33,000円→38,100円に引き上げ

注意:就学支援金は「授業料のみ」対象

就学支援金で補填されるのは授業料のみです。以下は対象外です。

  • 入学金・施設整備費
  • 教材費・制服代
  • 通学費・給食費・修学旅行費
  • 塾代・習い事費用

「私立高校が無償化された」という表現をするメディアもありますが、授業料以外の費用は全額自己負担です。所得制限がなくなったことを、「条件なしで全員が受け取れる」という意味では捉えないでください。


改正②:大学の修学支援新制度の多子世帯拡大(2025年度〜)

何が変わったか

高等教育の修学支援新制度(いわゆる大学無償化)は、2025年度から扶養子3人以上の多子世帯は所得制限なしで授業料等減免の対象になりました。2026年4月時点もこの枠組みが続いています。

改正前:世帯年収約380万円未満(住民税非課税〜準ずる世帯)のみ対象 改正後:多子世帯(扶養子3人以上)は所得制限なしで対象に追加

所得制限がないことと、施設費まで含めて家計負担がなくなることは別です。資産要件(授業料等減免は3億円未満など)と学業基準があります。自動適用ではないため、申請が必要です。

支援内容(多子世帯・授業料等減免の上限)

区分 授業料減免上限(年) 入学金減免上限
国公立大学 約54万円 約28万円
私立大学 約70万円 約26万円

出典:日本学生支援機構「多子世帯支援について」

給付型奨学金も、支援区分に応じて併給される場合があります(自宅通学・自宅外通学で金額が異なる)。第4区分を超える多子世帯などは、授業料等減免のみで給付奨学金は支給されないことがあります。

対象になる「多子世帯」の条件

  • 扶養する子どもが3人以上(判定時点の扶養状況による)
  • 大学等に在学する子どもが対象校に在籍していること
  • 毎年、住民税情報で再判定される

子ども2人の家庭は多子世帯特例の対象外です。通常の所得基準(年収約380万円以下)での申請は引き続き可能です。施設費・教材費・通学費は減免の対象外です。


改正③:児童手当の高校生年代延長(2024年10月〜・定着)

何が変わったか

2024年10月から児童手当の支給対象が中学生まで→高校生年代(18歳到達後の最初の年度末)まで延長されました。所得制限も撤廃され、2026年4月時点でもこの仕組みが続いています。

2026年4月時点の支給額

年齢 第1・2子 第3子以降
0〜2歳 月15,000円 月30,000円
3歳〜高校生年代 月10,000円 月30,000円

支給頻度:年6回(偶数月)

出典:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」

高校生が増えた場合の家庭への影響

子どもが高校生1人いる家庭では、旧制度(中学生まで)と比較して年間12万円(月1万円×12か月)の追加支給を受けられます。

子どもが2人(高校生1人・中学生以下1人)の場合、両方を合わせた年間受給額は、第1・2子なら年24万円、第3子以降の算定が含まれるとそれ以上になります。


2026年度:3制度の対象者早見表

制度 対象者 年収制限 上限額(年間)
就学支援金(私立高校全日制) 高校在籍者の保護者 なし(2026年〜)。国籍・在留資格の要件あり 457,200円(授業料のみ)
就学支援金(公立高校全日制) 高校在籍者の保護者 なし(2026年〜)。国籍・在留資格の要件あり 118,800円(授業料のみ)
修学支援新制度(通常) 大学等在籍者 年収約380万円未満が目安 授業料・入学金の減免+区分により給付奨学金
修学支援新制度(多子世帯) 扶養子3人以上 所得制限なし(資産・学業要件あり) 授業料・入学金の減免(上限あり)+区分により給付奨学金
児童手当 高校生年代までの子を持つ保護者 なし(2024年〜) 第1・2子は年12万円、第3子以降は年36万円

よくある誤解 Q&A

Q. 就学支援金の所得制限撤廃で、授業料の自己負担はゼロになった?

A. なりません。就学支援金は授業料のみを補填する制度です。文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版(令和8年1月16日訂正)では、私立高校(全日制)の年間学習費総額は平均1,179,261円です。就学支援金で賄えるのは授業料部分(上限457,200円)までです。入学金・施設費・教材費・通学費は全額自己負担のままです。

Q. 子ども2人でも大学の修学支援の対象になれる?

A. 通常の所得基準(世帯年収約380万円未満が目安)を満たせば対象になります。多子世帯特例(所得制限なし)は扶養子3人以上の世帯のみです。施設費などは対象外です。

Q. 就学支援金と東京都の授業料支援は別物?

A. 別制度です。東京都は独自の私立高校授業料支援を持っており、国の就学支援金と都の補助金を合算することで授業料の自己負担が小さくなるケースがあります。ただし都道府県によって上乗せ補助の有無・金額は異なります。入学金・施設費は対象外です。

Q. 児童手当の高校生分はいつから受け取れる?

A. 2024年10月支給分(8・9月分)から対象になっています。すでに手続き済みの方は自動的に支給されています。まだ手続きしていない場合は居住地の市区町村窓口で申請が必要です。

Q. 制度改正で申請のやり直しは必要?

A. 就学支援金は学校経由で申請するため、学校から案内が届きます。児童手当は既存受給者は自動継続です。修学支援新制度は毎年、在学校経由で手続きが必要です。


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